私のはたらく
自分の適性に合った職場で長く働く 40代・官公庁での事務補助
Iさんは、ジョブネット横浜を利用して2019年4月より、農林水産省横浜植物防疫所に就労。2025年4月現在では就労後6年を経過。職場環境、業務内容にも慣れてきて、十分に与えられた役割を果たし、職場からも信頼されてお仕事を継続しています。
「待つだけでは何も変わらない」
――ジョブネット利用前のお話を伺いたいと思います。Iさんの障害と、それに伴ってどんなことに困っていたかをお聞かせください
20歳代に心的外傷後ストレス障害と診断され、幻聴・被害妄想がありました。
請負会社の正社員として大型パソコンの修理工場に出向するなど、就労していた時期もあるのですが、家庭の事情で親に頼れない、相談する友達もいない状況で、転職~退職を繰り返し、肉体的にも精神的にも疲れ果てていました。
――ジョブネットを利用することになったきっかけを教えてください
精神科クリニックを受診し、その後、精神科デイケア(さいとうクリニックデイケア)を利用することで、できることから社会復帰することに気持ちが向いていきました。「待つだけでは何も変わらない、自分で動かなければいけない」と思いました。主治医やデイケアのスタッフからもそろそろ仕事をしてみてはと勧められ、同じ医療法人の就労移行支援事業所に通所することになりました。
課題を意識して取り組む
――ジョブネット横浜での訓練についてお聞かせください。ジョブネットを利用してみて、どんな印象をうけましたか?
スタッフさんによく相談に乗っていただきました。身近な、気軽に相談できる印象です。
――ジョブネットの利用の際、意識していたことはありますか?
まず、体力をつけることを意識していました。週4~5日通所して、事業所以外での清掃実習や様々な作業訓練を行いました(1日6時間)。就労セミナー受講、履歴書作成のアドバイスを受け面接練習にも取り組みました。
――就職活動について教えてください。就職活動で苦労したことはありますか?
主にハローワークを通して求職活動を行いました。就労セミナーが仕事探しの上で参考になったと思います。
自分の役割をやり遂げ、できるだけ長く続けたい
――それでは、就労後から現在の状況についてお伺いします。お仕事内容について教えて下さい
検疫業務の補助です。PC入力・操作や申請書の出力、書類チェック、ファイリングなどですが、シュレッダーや紙の補充、検疫業務で使用した手袋やタオルの洗濯など様々な仕事内容です。
――ジョブネットでの訓練や役割で、今のお仕事に役だっていると感じることがあれば教えて下さい
パソコン操作や就労セミナー・SSTなどが自分にとって役立っていると感じます。
――やりがいや楽しさを感じるのはどんなときですか?
日本を間接的ですが守ることに少しでも関われていることに充実感を感じます。
――職場からいただいている配慮事項について教えて下さい
勤務時間ですが、30時間/週(1日6時間・週5日勤務)で残業はなく、無理なく続けることができています。また、皆さんは専門的な研修を受けなければならないのですが、私は、今の仕事内容に必要な知識のみをマニュアル等で確認しています。
――定着支援・オープンジョブネット・OB会等の印象を教えてください
就労定着支援の期間が終了した後も、3か月に一度支援者が職場訪問して職場の上司と三者面談しています。また、何か変化があれば自分からも連絡を取るようにしています。
――今後の目標について教えてください
今の役割、契約期間をやり遂げること。できるだけ長くつづけていくことを目標にしています。
――最後に、これからジョブネットを利用をする方に向けて一言お願いします
これから障害者雇用で就労を目指す人に、2点お伝えしたいことがあります。
一つは「今を大事に生き、今の自分にできることをやる」ということです。
その時々で生活状況は変化するもの。自分の状態は良かったり、悪かったりしているかもしれないので、その時の自分にできる行動をしていく。
もう一つは「幸せだと思うハードルを下げてみよう」ということです。
例えば、「宝くじ1等が当たる⇒うれしいがまず当たらない。」より、
「今日もご飯がおいしい⇒嬉しいし、毎日感じられる」・・・そのように思うことが大事だと思います。
支援者とともに、よく相談しながら就労を目指してほしいと思います。